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□ PSU小説 『草原の支配者』 □

第3章

 
 長距離移動の際に使用するGフライヤーに乗り込みホルテス・シティを出発した3人は、やがて草原の中に設立された小規模な基地へと到着した。
そこは周囲の木々を切り開き整備された小高い丘の上に、幾つかの設備とそれらを囲い外敵の侵入を阻む為の壁が設置された比較的簡素な作りをした、言わば前線基地と呼ばれるような場所である。
かつては同盟軍が使用していたものを、今はガーディアンズが改修し任務の為のベースキャンプとして利用している。
「それで、目撃されたっていう場所は?」
周辺のマップデータを参照しながら、シェフがとあるポイントを指す。
「報告だとそれ程遠くも無いっぽいな」
「でも、それだけ近くまで来てるって事か」
「確かに急を要する任務みたいね」
そう話す3人の表情にも微かな緊張感が浮かび、自然と真剣な眼差しへと変わっていた。
「それじゃ、早速行くとしますかぁ」
先陣を切って意気揚々とラフォン草原へと続くゲートをくぐっていくシェフに、それを追うように後の2人も続くのだった。

 野営基地を出発してから、もうじき1時間が経過しようとしていた。
道中、SEEDによる侵食の影響で凶暴化した原生生物、ヴァーラやコルトバが襲い来るのを幾度となく殲滅し鎮圧しながら3人は草原を進んでいく。
「何処からこんなに湧いてくるんだ……」
遭遇して何匹目かのヴァーラを愛用のナックルで盛大に殴り飛ばしながら、シェフが愚痴ともつかない声を洩らす。
「これだけ広い草原だしな。個体数が多くたって不思議じゃないだろっ」
両腕の爪を振りかざし飛び掛ってくるヴァーラの攻撃をステップでかわし、隙だらけになった背面へと強烈な斬撃を加えるTommy。
左右交互に繰り出させた双剣の刃がヴァーラの体を縦横に切り裂き絶命させる。
その少し離れた所では、一直線に突進してくるコルトバをいなしながら、手にしたツインダガーで確実にダメージを与えていくカスミの姿があった。
「全く、もう少し大人しければ可愛げもあるのに!」
方向転換の為、勢いを落としたところを一気に攻め立て止めの一撃を叩き込む。
それでもフラフラと数歩進んだ後、遂にはその身を横たえたままコルトバはようやく動きを止めた。
「程好く肥えてて、結構良い食材になりそうなんだがなぁ」
今しがたカスミが仕留めたコルトバを見ながらシェフが呟く。
「なら食べてみる?」
「今ならSEEDの下味付だ」
「いや、流石に遠慮しておく……」
一般的には、一度SEEDの侵食を受けたものは強い毒性を持ち、万が一そうなった食材などを口にすれば人体に著しく悪影響を及ぼし、最悪死に至るとすらされている。
その為、コルトバを家畜として育てていた牧場などが度々深刻な被害を受け、莫大な損害をこうむる事も少なくなかった。

 やがて3人が辿り着いたのは、それまでに比べ周囲を取り囲む剥き出しの岩や木々の少ない開けた空間だった。
「この辺りみたいだな」
出発前に確認したポイントと現在位置を照らし合わせ、一行は報告のあった場所へと到着した事を確認する。
「思いの他、早く着いたか」
「やっぱりテクニック使いがいると違うねぇ」
ちらりとカスミを見遣るシェフとTommy。
「2人も覚えてみたら? コツさえ掴めば後は結構簡単よ」
カスミは携帯するウォンドに持ち替え、リンクさせているレスタを発動し戦闘で受けた全員の傷を癒す。
「俺はこれさえ振れればそれで十分さね」
手にした愛剣、ヨウメイ社製のツインセイバーを掲げて見せながらTommyは満足気に話す。
「ビーストは元々そういうの得意な方じゃねぇしな。俺も殴ってる方が性に合ってるわ」
シェフもまた両腕に嵌めたナックルを素振りしながらカスミに答える。
「結局、私1人が忙しい訳ね……」
半ば予想通りの反応に思わずぼそりと呟く彼女に、2人は息を合わせたようにフォローする。
「感謝してるって」
「あぁ」
カスミ自身本気で不貞腐れているのでもなく、またシェフ達もそれを察している為か、そんな会話のやり取りを楽しんでいるような空気が自然と3人の間に流れていた。
その時だった。
ふと目線を落としたTommyの目が地面にある物を捉える。
「なぁ、これってもしかして……」
その様子に気付いたカスミとシェフの2人も、彼に促されるままに地面へと目を向ける。
「……ディ・ラガンの、足跡?」
注意して辺りを見渡してみると、通常の原生生物の物ではない、明らかな大型生物の物と思われる足跡が無数に点在していた。
「それも、そう古いものじゃ無さそうだな」
「じゃあここに最近ディ・ラガンが居たのは間違い無いって事か」
「それに、まだこの近辺に居る可能性も、ね」
束の間の和やかなムードから一変して緊張感の張り詰めた空気が場を支配する。
「今のところ出くわしてないところを見ると、居るとすればこの先か」
「レーダーにもそれらしい反応は無かったしね」
前方に見える新たなゲートを見据えながらシェフが問い掛ける。
「どうするねお2人さん、進むかい?」
「確かに俺達が請け負ってるのは調査であって、討伐じゃ無いからな」
そんな事を話すシェフとTommyの2人に、カスミもまた意見する。
「でも、ここで戻ったって大した収穫も無いし、どうせならもっと確実な位置情報を掴んだ方が報酬も上がるんじゃない?」
カスミの言葉を聞き、一瞬互いに顔を見合わせる彼等だったが、
「ったく、結構無茶言うよな」
「まぁいっそ昼寝でもしててくれれば、楽に済むんだがね」
などと言いながらも、その表情はやる気に満ちているシェフとTommy達であった。


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Date:2008/04/05
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