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□ PSU小説 『草原の支配者』 □

第4章 前編

 
 周辺調査を続行すべく新たなブロックへとやって来た3人は、今まで通り行く手を阻む原生生物達を突破しつつ先へと進んで行く。
流石に多少の消耗は見られるものの、これといって特に大きな支障も無くそのブロックの調査も順調に終わるかに思えたその時だった。
今までに無く広い空間に、地面にぽっかりと空いた巨大な穴。
その周囲の草木は真っ黒く焼け焦げ炭と化している。
「これは……」
「もしかして、ここが?」
Tommyとカスミが穴の周辺を調べている中、ふと空を見上げたシェフの視界を巨大な影が横切る。
「……どうやら、気付くのが遅かったみたいだぜ」
巨大な翼を羽ばたかせ、ゆっくりと迫り来る紅き巨獣。
通称、草原の支配者とも呼ばれる巨大原生生物ディ・ラガンである。
「いつの間にか奴の巣にまで踏み込んでたらしいな」
冷静に敵の姿を見据えるTommyだったが、その表情には何時に無く緊張と焦りの色が窺えた。
「出来ればやり合いたくは無いところだけど、この様子じゃ無理そうね」
カスミもまた手早く全員に補助テクニックをかけ、臨戦態勢を整える。
既に3人を攻撃対象と見なしたのか、ディ・ラガンは一度大きく咆哮を上げるとその首を僅かにもたげた。
微かに開かれた口の隙間から真っ赤な炎が漏れ出しているのが見える。
「気をつけろ、来るぞっ!」
その直後、首を振り下ろすと同時に放たれた灼熱の火球が3人へと襲いかかるが、予備動作によって察知していた為十分に回避は可能だった。
「向こうはやる気満々みたいだな」
「こうなったら、やるしかないだろ!」
「サポートは任せて、2人は攻撃に専念して。長期戦になる前に何とかしないと……」
一行が迎え撃つ覚悟をしたのを知ってか知らずか、次いでディ・ラガンは低空状態から急降下を仕掛けて来る。
「降りてさえ来ればこっちにも分がある!」
「よっしゃ、行くぜトミさん!」
第ニ撃も無事かわし、体勢を立て直し切れていないディ・ラガンへと一気に距離を詰めると、それぞれ得意の戦法で攻撃を仕掛けて行く。
気合いと共に繰り出されるTommyの双剣の乱舞が硬い表皮と共に首元や足を切り裂き、紅き巨体が堪らず身悶える。
「絶好のチャンス! 今こそ吠えろ、グレイター!!」
そこへ、シェフの渾身の右ストレートによる強烈な一撃がディ・ラガンの弱点でもある頭部へと叩き付けられた。
これは流石に効いたのか、鈍い呻きを上げつつ体のバランスを崩した巨獣が2、3歩よろける。
「何だそりゃ?」
シェフの叫んだセリフに、Tommyが思わず問いかける。
「やっぱり必殺技は叫んで何ぼでしょ」
一方、そう返すシェフの顔はなんとも自信有り気な様子だった。
「さぁ、トミさんも是非」
「悪いが、遠慮しておくよっ」
そう言い残し、双剣を構え再度敵の懐へと飛び込むTommyに多少残念がりつつも、シェフもまたそれに合わせ攻撃を再開させた。
前衛2人の息の合ったコンビネーションに感心しつつも、カスミもまた弓による援護射撃で彼等の動きを支援する。

 次第にダメージが増え始めたのか、ディ・ラガンの動きに鈍りが見え始めた頃だった。
それまで首や尻尾による攻撃を主としていた戦法から、突然その上体を大きく起こしたかと思うと今度は胴と前足による強力なプレスを放とうとしてくるのが見える。
「うぉ!? っと」
瞬時に真横に飛び辛うじてかわす事に成功したシェフだったが、今度は彼が起き上がるよりも早く体を回転させたディ・ラガンの尾がその隙を捕らえんと迫る。
「しまっ……!」
直後、激しい衝撃が全身を襲い吹き飛ばされた体が地面へと叩き付けられる。
「シェフ!?」
痛みと打ち付けたショックで意識が朦朧とする中、駆けつけたカスミの放ったレスタによってシェフは再び体の自由を取り戻した。
「大丈夫?」
「サンキュ、カスミン……こういう時ばっかりは、ビーストに生まれて良かったと思うぜ」
幾らシールドラインや防御力上昇の補助テクニックによって受けるダメージは軽減されると言え、ビーストの持つ強靭な肉体が無ければこの程度の負傷では済まなかったかも知れない、とシェフは思う。
「しっかし、いい加減しぶといな」
「これ以上長引くとこっちが持たないかもね……」


<第3章へ     第4章 後編へ>
 
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Date:2008/04/05
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