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□ PSU小説 『交わる2つの運命』(未) □

ミリア編 2-3

 
ルウに連れられ、ミーティング・ルームへとやって来たミリア達は、部屋のほぼ中央に設置されたディスプレイを見ながら彼女の説明を聞いていた。
「先日、ミリアさんが捕らえた密輸集団の一人を警察が尋問したところ、彼等のアジトとは別に非合法に持ち込まれたパーツなどを集め、保管しておく為の倉庫の存在が明らかとなったのですが――」
手元の端末を操作し、ルウはディスプレイ上に映し出された情報を切り換え、一部にマーキングが標されたモトゥブ西部の地図情報を表示させる。
「場所はモトゥブ西クグ砂漠方面に点在する旧鉱山地帯。彼等は、その内の廃坑の一つを倉庫代わりとして使用していたようです」
「確かにあの辺りなら隠れ家に使えそうな場所も多いし、滅多に人が立ち入るような所でもないから打って付けかも知れないわね」
モトゥブに散在する無数の鉱山の内、既に採掘が終えられ放置されている坑道に手を加え、自分達のアジトとするローグスも少なくなかった。
また、周囲に似たような場所も多い為、それらは人の目を誤魔化し隠れ潜むのにも最適の場所となっていた。
「そして今回お2人に担当して頂きたいのが、数日後に控えている警察による倉庫内物資の押収作業に先駆けて、現場の安全確保と廃坑内部の調査をお願いしたいのです」
「と言う事は、今回は警察の手伝いと言う事?」
はい、と短く頷きルウは続ける。
「廃坑の調査と言っても規模は小さく、私達に協力要請が来るほどのものでも無いのですが、どうやら警察では現在、別の事件の対応に追われているらしく、こちらの件に回せるだけの人手が不足しているようですね」
ならず者の集団とも呼ばれるローグスのアジトが数多く存在している事も手伝っているのだろう。
他惑星に比べ、大小様々な犯罪の頻発するここモトゥブでは、それもまた仕方が無い事なのかも知れない。
「なるほど。で、それでガーディアンズに依頼が来るのは良いとして、私達が選ばれた理由は?」
「丁度タイミングが重なった、というのが一番の要因でしょうか。それに加え、ベテランのミリアさんが一緒なら、新人の訓練としても十分こなせる範囲だろうとの上の判断かと」
それだけ信頼されているのか、それとも単に買い被られているだけなのか。
ふと、そんな事が頭を過ぎるミリアをよそにルウは話を進める。
「廃坑内部には、対侵入者用に設置された無数のトラップと、各所に配置されたガードマシナリーが守りを固めているとの事です。また、それらの防衛機能を解除する為には、特定のパスコードが必要とされる事までは判明したのですが……」
「その様子だと、何か問題があるみたいね」
表情こそ変わらないが珍しく言いよどむルウの様子に、ミリアを始めカスミもまた怪訝そうな顔を浮かべる。
「廃坑入り口に設けられた扉を開く為のゲートキーは、捕らえた男から既に押収済みです。ですが、問題のトラップ等のセキュリティ機能解除の為のパスコードは、仲間内で唯一それを管理していたキャストの男のみが知っていたらしく、現状での入手は非常に困難、いえほぼ不可能に近いと思われます」
ルウの話を聞きながら、ミリアはハッとした様子で声を洩らした。
「そのキャストって、もしかして……」
「はい。お察しの通り、先日ミリアさんが密輸組織を捕らえた際の戦闘で死亡した男に間違いないようです」
その答えにミリアは思わず顔をしかめる。
「該当するキャストの頭脳体へ外部から強制アクセスし、そこへ納められているデータバンク内の情報を直接引き出す事が出来れば、或いは発見出来るかも知れません。ですが、生体機能停止時の影響で一部データが失われている可能性も否定は出来ません」
「いえ、そこまでする必要は無いわ。幾ら相手がキャストとは言え、死人の体を好き勝手に弄り回していい権利など、誰に許されているものでは無いわ。それに、元はと言えば私の失態が原因なのだしね」
結果的に相手の命を奪う事になったとは言え、あの時の判断が間違っていたとは思っていない。
しかし、それがまさかこんな所で思わぬ弊害を生む事になろうとは……
「起こってしまった事はしょうがありません。幸い内部の規模、構造から考えて設置されている数はそう数は多くないものと思われます。1つずつ慎重に対処していけば、十分任務の遂行は可能でしょう」
「……そうね」
慰めや希望的観測ではなく、あくまでデータに基づく結論を淡々と述べるルウの言葉に、ミリアはどこか救われるような思いを感じ、思わず苦笑する。
それに気付いたのか、怪訝そうな顔でこちらを見詰めているルウに向かい、「何でもないわ」と小声で返す。
「つまり廃坑内部に侵入後、トラップを処理しつつ、奥の倉庫へ至るまでの通路の安全を確保すれば良い訳ね」
「概ねその通りです」
任務内容の説明に関し、ルウは最後に補足を加えておく。
「廃坑内部での進行に際し、障害となるトラップの解除が不可能な場合は破壊。ガードマシナリーに関しても、単純に機能停止が無理な場合は完全に破壊してしていただいても構いません。その他、現場での細かな判断についてはミリアさんに一任します」
「了解」

実地訓練を兼ねた任務の説明も終え、3人はミーティング・ルームを後にすると再び受付ロビーへと向かっていた。
「それと現地までの移動手段なのですが、今回は鉱山地帯手前の中継地点までGフライヤーにて飛行後、そこから先はフローダーでの移動となります」
ルウの話によれば、別の任務で鉱山方面へと向かっていたガーディアンズのGフライヤーが、突然のエンジントラブルにより中継拠点付近に不時着。
その為、その後の移動距離を考え、代わりの機体としてミリア達のフライヤーをそこで引き渡す予定だという。
「任務の優先度が高ければそうなるわね」
そんなルウとミリアのやり取りを、2人のすぐ後ろで聞いていたカスミが心配そうに尋ねる。
「それで、不時着した機体に乗っていた方達は無事なんでしょうか?」
「はい、チームリーダーの報告によれば、全員怪我なども無く無事なようです」
「良かった……」
ルウの返答にホッと胸を撫で下ろすカスミ。
そしてミリアもまた仄かに安堵の表情を浮かべるのを、ルウは静かに眺めていた。
やがて3人はエレベーターを通じ、ロビーへと戻って来た。
「では、準備が出来次第フライヤーポートへ向かって下さい。既にGフライヤーの手配とフローダー2台の積み込みは完了していますので」
最後にそれだけ伝えると、ルウは一礼し、また別の部屋へと向かいその場を後にした。
残された2人も正式に任務受諾の手続きを済ませる為、受付へと向かう。
そして全ての支度を終えたミリア達は、ダグオラ支部の受付嬢マナに見送られながら支部を出発した。
「まぁ若干訓練内容が早まったと思えば、ね」
フライヤーポートへと向かう途中、そう事も無げに呟くミリアをよそに、一人緊張と不安を募らせていくカスミであった。


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Date:2008/07/25
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