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□ PSU小説 『交わる2つの運命』(未) □

ミリア編 2-5

 
鉱山地帯の中でも、比較的起伏の乏しいその場所は道幅も十分にあり、車両での移動にも支障は無い広さを持っていた。
また周囲にそびえる岩山には大小様々な採掘後が残り、そのまま空洞が広がっているものもあれば、入り口に扉などを設け中へ立ち入れないよう封鎖されているものもあった。
ここからもう少し先へ行けば、鉱山地帯の中でも有数の良質な鉱物が取れる事で知られ、また同時に最も険しい地形を持つガレニガレ渓谷が広がっていた。

「ここね」
目的地である廃坑入り口へと一足先に到着したミリアは、後続のカスミを待ちつつ周辺の様子を窺うべく入り口付近を調べ始める。
そんな中、彼女から遅れる事数分、カスミのフローダーが到着する。
「まぁ、この位なら及第点ってところかしらね」
何やら満足気に呟きながら、ミリアはフローダーの上で若干ぐったりし気味のカスミへと活を入れるべく、彼女の下へと向かった。
「さて、ここからが本番よ。中はどこに何が仕掛けられているか分からないわ、十分気を引き締めてかかりなさい」
「はい……」
いそいそとフローダーから降りるカスミを横目に、先程調べておいた際に発見した端末へと向かうミリア。
出発前、ルウから受け取っていたゲートキーを使い、早速入り口を塞ぐ扉のロックを解除する。
そして現れたのは、岩肌が剥き出しのまま奥の暗がりへと続く空洞と、その内部をボンヤリと照らし出す所々天井から吊るされた照明のライト。
ミリアの合図と共に、各々用心の為の武器を手にした2人は、調査を開始するべく内部へと足を踏み入れた。
一応照明があるとは言え、坑道内部は思った以上に薄暗く視界も利き難い為、慎重に歩みを進めて行く。
やがて、進み始めて何度目かの角を曲がろうとした時だった。
「待って!」
不意に立ち止まり、後ろを歩くカスミの動きを制するミリア。
「この通路の少し先、何か見える?」
「いえ、何も……」
問われるままにじっと目を凝らして見てみるが、特に変わったものは見当たらなかった。
「じゃあ、次はゴーグルを使って見てみなさい」
言われるままに、今度はゴーグルを通して同じ場所に目を向けたカスミが、思わず声を洩らす。
「え、反応?……あっ!?」
何も無いと思っていた通路の中程に浮かぶ、正八面体の物体。
それは僅かに上下に揺れながら空中に留まっていた。
「どうやら浮遊停滞型のトラップのようね。しかもご丁寧に、光学系のカムフラージュ機能まで備え付けられた厄介なタイプ」
目の前の浮遊トラップを見据えながら呟くミリアに、カスミは支部での会話を思い出す。
「確かルウさんの話では解除が無理な場合は破壊して処理、でしたよね」
「この手のやつは、専門家でも無い限り解除が難しいわね……なら」
ミリアは手にしたハンドガンを構えると、ゴーグル越しにその狙いをトラップへと定める。
「でも、大丈夫なんですか。こんな狭い所で爆発させて……」
「あの程度のサイズなら、センサーの範囲内、目の前に来た相手を吹き飛ばすのが精々よ。それに、もし仮にこの廃坑ごと崩して塞ぐつもりなら、もっと効率の良い場所に仕掛けるはず」
少なくとも、他の仲間にすらパスコードを教えないほどに用心深い男の事。それ程安易な真似をする筈がない、という確信がミリアにはあった。
「少し下がってなさい」
念の為カスミを後退させつつ、自身にも爆発の影響が及ばない距離である事を確かめた後、目標へとしっかりと照準を合わせた銃のトリガーを引く。
次の瞬間、発射された弾は見事にトラップに命中。撃ち抜かれたそれは直後に爆発し消滅した。
障害も排除され、再び進路が確保出来た事を確認すると、ミリアは既に隣へとやって来ていたカスミへと告げる。
「さあ、先へ進むわよ」

廃坑を奥へと歩き進む道すがら、ミリアは教官としてのアドバイスをカスミに話していた。
「ゴーグルは通常では視認、感知出来無いようなモノにも対応する事が可能な優れた装備。それ故に、様々な任務に赴く事になる、ガーディアンズ全員に支給される基本装備の1つよ」
先程のような視覚面に関する機能以外に、端末間での通信による映像データのやり取りなども行える多機能性に富んだ分析ツールであり、個人レベルでこれほどの高性能な装備を持っているのも、最大規模の惑星間警護組織であるガーディアンズの特徴となっていた。
「行き成り使いこなせとまでは言わないわ。でも、なるべく今の内にゴーグルの扱いに慣れておきなさい。これは、その為の実地訓練でもあるのだから」
本来ならば、指定された目標を規定時間内にゴーグルを用いて発見する、という訓練を行うところなのだが、急遽予定が変更された為に、より実践的な活用法をレクチャーする事になったのである。
「それから、今回のようなどこに何があるか分からないような状況下では、常にゴーグルで周囲を確認する癖を付けるようにしなさい。用心はするに越した事は無いのだからね」
これらは皆、ミリアがガーディアンズを続ける中で実感した事でもあるが、同時に自分が新人時代、教官だった人物から言われた事でもあった。
いざ自分が教官になった今、新人であるカスミに同じ事を口にしている事実にふと気が付き、ミリアは思わず苦笑する。
だが、一方のカスミは彼女の斜め後ろにいたせいか、もしくは廃坑内の薄暗さのせいなのかそれには気付いていない様子だった。


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Date:2008/11/03
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