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□ 短編小説 お題ネタ □

  『ああ 空が青い これまでも これからも ずっと変わらずに』

 
「今日は久し振りに良い天気ね……」
呟くように君が言う。
その瞳に、ほのかに光るものを湛えながら。
「そうだね、本当に良い天気だ……」
あぁ、透き通るように空が青い。
まるで、君と出会ったあの良く晴れた日のように。
ぼんやりと見上げる空に、何処からともなく二羽の小鳥が飛んで来た。
つがいだろうか、互いに寄り添うように仲良く飛んでいる。
しばらく僕達の上をぐるぐると円を描くように飛んでいたかと思うと、やがて何処かへ飛び去って行った。
その様子を目で追いながら、僕は視界一杯に広がる青空をぼんやりと見やる。
この空の青が、これまでも変わらずそこに在るように、きっとそれはこれからも変わらないんだろう。
例え見上げた空が曇っていたとしても、その先には必ず晴れた青空が広がっているように。
そんな風に、ずっと変わらずそこに在れたら良かったのに……
最後に空が見たいと言った僕の言葉に、何も言わず頷いた君。
僕の車椅子を押し屋上へ向かう間も、こうしている隣に立つ今も、必死に涙を堪えているのが分かる。
「ごめん……」
「え?」
ぼそりと何か呟いたのに気付いたのか、君が僕へと振り向く。
それに応えるように、今度は聞こえるようにはっきりとこう告げた。
「ありがとう」
うん、と頷くのが精一杯だったのか、唇をかみ締める君の目から一筋の涙が頬を伝い零れ落ちる。
どうか泣かないで。
遠のく意識の中、そっとそれを指で拭いながら、僕はゆっくりと目を閉じた……
 
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Date:2008/04/04
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